進物用のお菓子といえば、箱に入っているものが一般的。菓子折りの折りは、実はお菓子の入った箱のことを指しているのです。まずは菓子折りのそもそもの意味と、現在の使われ方について見ていきましょう。
菓子折りとはどのようなものを指しているの?
菓子折りは“折り箱入りの菓子”のこと
薄く削った木を折り曲げて作る「折り箱」は、寿司(すし)や弁当、お菓子など食品の容器として古くから重宝されてきました。最近では、発泡スチロールや厚紙などで木を模した折り箱もよく使われています。
折り箱に食品を詰めることや、詰めたものを「折り詰め」と呼び、その中身によって「寿司折り」「菓子折り」と呼び分けていたわけです。
現在は外箱入りの菓子全般を指す
さまざまな包装容器が登場している現在でも、和菓子など折り箱に詰められている菓子は珍しくありません。ただ菓子折りについては、折り箱だけでなく、外箱に入った進物用の菓子全般を指す言葉になっていきました。
おすすめの菓子折り
和菓子
洋菓子
謝罪だけでなく、手土産など贈り物全般に
謝罪だけでなく、手土産や差し入れなど贈り物全般に
お客様に迷惑をかけた若手社員が、上司に「菓子折り持ってわびてこい!」と怒鳴られている……ドラマや漫画などで一度は見かけたことのあるシーンではないでしょうか。もちろん謝罪の場面でも菓子折りは定番ですが、訪問の際の手土産、イベントの際の差し入れ、季節のごあいさつなど、本来は目上の方への贈り物全般に適しているものなのです。
外箱はお相手を立てる礼儀のひとつ
なぜ菓子折りが贈り物に適しているのでしょうか。実は、折り箱(外箱)はその昔、菓子が高級品であったころから使われてきた、いわば菓子の格式を高めるアイテムなのです。
お相手を立てる礼儀のひとつとして用いられますので、バラのままのお菓子や袋菓子には代えられません。
もちろん、駄菓子やスナック菓子などはもってのほかです。
菓子折りを渡すタイミングと渡し方
手土産などで菓子折りを渡すタイミングは、最初のあいさつのあととなります。持ち歩き用の紙袋を外し、お相手に正面を向けて渡しましょう。贈る側で最も上の役目の方が、お相手側の最も上の役目の方へお渡しするのが基本です。
おわびの場合、まず菓子折りを出してしまうと、自分たちの不手際を贈り物で帳消しにしようとする不誠実な態度に見えかねません。お相手から許してくださる旨の言葉が出るまで待ってお渡しします。
ことによっては、簡単に許していただけないこともあるでしょう。
菓子折りを受け取ってもらえない場合は、無理に押し付けずに持ち帰るようにしましょう!
菓子折りを渡すときのその他の注意点
高額すぎる菓子折りを選ぶと、逆に贈り先さまに気を遣わせてしまう可能性があります。基本的には3,000〜5,000円程度の品物を選び、簡単な挨拶程度であれば1,000〜2,000円程度の品物で問題ないでしょう。
また、菓子折りを渡すときは手提げ袋のまま渡さないことが基本ですが、お相手が持ち帰る必要がある場合は手提げ袋のまま渡しましょう。その際は「手提げ袋のままで失礼いたします」と一言添えて渡すのがマナーです。
菓子折りののしの付け方
菓子折りにのしを付ければ、より丁寧な印象を与えられます。のしの表書きは「御挨拶」や「御礼」、「御祝」、「心ばかり」などが一般的です。季節の挨拶として菓子折りを贈る際は「御中元」や「御歳暮」、「御年賀」などとしましょう。
謝罪目的で菓子折りを渡す場合は、のしを付けないのが一般的です。